コンテナ

安全安心なコンテナ建築の普及に向けて

野積みコンテナ問題

街中で見られるコンテナ倉庫には、残念ながら海上輸送用コンテナを簡易に組み上げただけの「野積みコンテナ」と呼ばれる建築確認を取得していない違法な建築物がまだ多く見られます。この「野積みコンテナ」に対しては、平成元年以降、旧建設省や国土交通省などの行政機関が多くの行政指導を行ってきました。

それらの行政指導に共通するのは、「野積みコンテナ」であっても建築基準法に規定する「建築物」となるということです。つまり「野積みコンテナ」を設置する場合は、仮設設置などの場合を除き、建築基準法に定める建築確認を取得しなければなりません。

平成16年に国土交通省より通達された「コンテナを利用した建築物の取扱いについて(技術的助言)」(平成16年12月6日付国住指第2174号)は、既設コンテナについても、建築基準法に適合しない事項がある場合には、違反建築物として必要な措置を採ることを各都道府県建築主務部長に依頼する内容となっています。

また、建築確認を取得する場合は、管轄消防署の確認・承認を得ることが必要ですが、建築確認を取得していない「野積みコンテナ」の多くは、地震や台風等に対してはもちろん、火災に対しても非常に脆弱であり、安全性に大きな問題があると言えます。

建築用コンテナモジュールの要件

前記の行政指導を受けて、コンテナを使用した倉庫や店舗などの建築の際には、建築確認を取得するケースが増えています。しかし残念ながら、その多くは建築確認申請書や同付属設計図書などの形式を整えたにすぎないものが多いというのが当社の見解です。

建築基準法に定める建築物は、「構造耐力」(法第20条)の規定により構造強度が担保され、かつ「建築材料の品質」(法第37条)の規定により、使用する建築材料が国土交通大臣が指定するJIS規格に適合するものか、同大臣が定める安全上、防火上または衛生上必要な技術基準に適合するものでなければなりません。

前記の「野積みコンテナ」を含むコンテナ建築を取り扱う事業者の多くは、中国と韓国にあるコンテナ製作工場にコンテナモジュールの製作を依頼します。現状では、中国や韓国で前記のJIS規格品や技術基準に適合する材料等を入手することは容易ではありません。また、コンテナ建築を一定の構造強度が担保された鉄骨建築物とするためには、コンテナ建築に使用するコンテナモジュール製品の品質や工程検査等の管理体制、製作設備や技能者の能力確保など、ソフト・ハード両面における製作工場としての総合力が求められますが、日本と基準が異なるこれらの国々でそれらを確立するのは容易ではありません。

つまり中国・韓国で製作されたコンテナモジュール製品を使用して建築確認を取得するのは容易ではなく、日本国内でコンテナ建築に使用できる「建築用コンテナモジュール」を中国・韓国で製作するには多くの課題をクリアしなければなりません。安価な工法として施工されたコンテナ建築が、その高いハードルを本当にクリアできているかという懸念が生じます。

国の規制強化と各自治体の対応

デベロップによる「建築用コンテナモジュール」製品化を背景として、「野積みコンテナ」がさらに深刻な社会問題化すること防ぐため、平成26年に国土交通省が各都道府県建築主務部長に対して行った通達「コンテナを利用した建築物に係る、違反対策の徹底について(平成26年12月26日国住安第5号)」では、より具体的な事例をあげ、その是正指導を徹底するよう依頼が行われました。

この流れを受けた各自治体の対応事例として、大阪府議会(平成27年10月2日代表質問/維新・森和臣議員『大阪再生、都構想にあり』)では、大阪府住宅まちづくり部長の堤勇二氏の答弁において、「国交省から求められている、規準に適合しない違法コンテナ建築物に対する、是正指導または必要に応じ是正命令をすることについては、先ず、大阪府と大阪市を含む府内18の特定行政庁からなる、『大阪府内建築行政連絡協議会』により、今年3月に府内の違法コンテナ建築物を取り扱う事業者に対し、一斉にその遵守を求める指導文書を送付し、更には、違法コンテナの設置が多い、大阪府と大阪市では、その現状把握に努めると共に、同7月~8月には、直接当該事業者を呼び出し、新規の設置については建築確認を取ること、並びに、既存の物件については、是正に向けた計画書(是正検討書)を提出することを、夫々求める強い行政指導を実施している。」ことが表明されるなど、全国の自治体で対応が進展しています。

デベロップは「建築用コンテナモジュール」メーカとしての責任を果たすべく、さらなる品質向上に努めるとともに、安全安心なコンテナ建築に関する啓蒙および普及に努め、もって業界の健全化とそのイメージの向上に寄与したいと考えています。